指導 練習

伸び悩んだ人こそがリーダーの器を持ってるんじゃないかなって思う

2017/05/05

以前、これからよさこいを始めようと思っている人へのメッセージ!でご意見を募集しました。

その中でも掲載させていただいたんですが、こんなメッセージがあったんです。

 

秋田県 20代 女性
よさこいは実際始めるとオフ以外は毎週練習とか演舞とかで割と多忙になるけど、それも良い思い出になります!
未経験でも、誰でもチャレンジ出来る趣味だと思います!
最初はみんな未経験なので!

自分自身、最初は誰よりも劣っていて下手っぴで一番後ろにしかいられなかった人なので皆んなに教える立場になった今、チームで「上手くなりたい…」って悩んでる人がいたら凄く共感できます。

自分だけじゃなくてお客さんにも楽しんでもらえる趣味であるのがよさこいのいいところだと感じているので気軽に始めてもらいたいです!

 

よさこいもやっぱ実力主義みたいなところはあって、踊りの上手い人の発言力の方が大きかったりするんですよね。

だから上達の早い人は目立ちやすいし、リーダーにもなりやすい。

でも僕は、なかなか上手く出来なくて悩んだ人こそがリーダーになってほしいなって思うんですよね。

だって出来ないことが多かったからこそ、出来るようになるまでの努力の仕方を知ってるんですもん。

 

 

人に踊りを教えるのには自分の経験が役に立つ

誰しもがよりうまく踊れるように考え、練習していく。
練習方法は人それぞれに合うもの、合わないものがあるし、教えるとなればたくさんの練習パターンを提案してあげられたほうがいいよね。

んでその練習パターンをいくつ思いつけるかって、自分の経験が生きてきやすいんですよ。

 

出来ない理由ってあんまり考えることがない

難しいことじゃなくてもいいんだけどさ、自分が初見でも出来てしまったテクニックとか振りとかってあるでしょ?

よさこいに限らずとも例えば・・勉強でもいいんだけれども、自分の得意な教科ってあると思います。

他の人が難しいって言ってる計算が苦労せず出来ちゃったり、英文の和訳が他の人より正確にできたりさ。

当たり前かもしれないけど、すでに自分が出来ている事ってそんなに深く考えないんですよね。

なんで自分はコレが出来るんだろうとか、もし自分がコレを出来なければどうしていただろうとか。

だってそんなこと考えなくても出来ちゃったんだもん。
出来ない理由なんて考える必要もない。

なんなら逆に、もっと難しい計算を解ける方法を考えた方が自分には有益だもんね。

 

踊りもコレと同じ。

自分が難なく出来た振りに対しては追求しないし、今よりもっと上手く踊れるようにするにはどうすればいいかを考えます。

「難なく出来たこと」が他の人より多いと、技術を追求する機会がそもそも少なくなっちゃうんだよね。

そうだな・・普通の人はレベル1から始まってるのに、とある人はレベル10から始まってると過程するじゃん。

そうすると、そのとある人はレベル1から10への上げ方や苦労って分からないんですよ。

でも踊りを人に教えるとなれば、相手と同じ立場にならないといけない。

まずレベル1から2にしてあげることを考えないといけない。

自分が難なく出来たことに苦戦する相手にも、練習方法やアドバイスを伝えなきゃいけない。

上手くできなくて悩んだ人は、レベル1から2に上げるために色んな方法を試してきたでしょ?

 

苦労した経験が、相手へのアドバイスになる

例えば自分は覚えが悪いほうで、スピンを習得するまでにたくさんの練習をしてきたとするじゃないですか。

あーでもないこーでもない・・これならどうだ・・まだ出来ない・・って。

こうして習得までに時間がかかった人って、たくさんのトライ&エラーを経験として積み重ねてきてるし、どうして自分はコレが出来なくて何をすれば出来るようになるんだ・・ってすごく考えるんですね。

出来ないことがある度にちゃんと自分で考えて、教えてもらって、試してみてさ。

そうすると、踊りに対しての考える力や解決策の編み出し方が見についてくるんですよ。

しかもこの「出来なかったけど出来るようになった体験談」って、まさに後輩たちが必要としている道しるべでしょ!

どうしてもうまく出来ない後輩になんてアドバイスをするのか、どういう練習をすればいいのか、苦労した人はすでに答えを持ってるんだよ。

 

自分と同じところでつまづいている人がいたら「自分もそこができなかったんだけど、こういう練習をしたら出来るようになったよ!」って、教えてあげられる。

今は教えてくれている人も前は出来なかったんだなって、自分だけがつまづいてるんじゃないんだなって思えるだけで、すごく安心させてあげられるんだよね。

 

 

メンタル面でも大きな支えになってあげられる

自分がうまく踊れてないって思うと自信がなくなるし、自尊心も失われていって「自分は必要ないんじゃないか・・」とか思い始めちゃう人もいるんですよね。

せっかく好きになったよさこいなのに、必要ないわけないのに、自分の頭の中で悲しいことぐるぐる考えちゃう。

そんな気持ちになってる人がいないことを願うけれども、もしすでになっちゃってる人がいたら僕からのメッセージを読んでみてね。

私1人くらいいなくても・・って思ったら。

 

惨めな気持ちを分かってあげられる

みんなが出来ているのに自分だけは出来なくて辛い。
恥ずかしい。
みんなに置いていかれる。
先輩も丁寧に教えてくれるのに応えてあげられなくて、嫌われてしまうんじゃないか。

伸び悩んだことがある人なら、そんなことを考えたことがあるんじゃないかな。

でも今は、諦めずに続けて出来るようになって、よさこい楽しいぞ!って思えてる。

この苦労を乗り切れば、楽しいよさこい生活が待ってるぞ!って、アナタは知ってる。

だから一緒にがんばろうよって。

アナタが実際やってきた練習方法とかプロセスとかを教えてあげてさ、これが出来るようになって一緒によさこいを楽しもうよって応援してあげたら、その人はすごく助かると思うんだよね。

チームに入りたての人は特に不安を感じやすいだろうし、アナタというひとつの拠りどころができるだけで、新人さんにこれからもがんばろうって思ってもらえるはずだよ。

 

 

難なくこなしてきた人は、苦労した人の気持ちを知ろう

これまで難なくこなしてきた人も、経験を積むことによって踊りに対しての考える力や、解決策の編み出し方は身に付いてきます。

特に人に教えるときには自分の踊りの理解度が顕著に現れるし、出来ない理由と解決策も見つけなきゃいけないから、うってつけだと思うよ。

困っている人を見かけたら、自分のためにも相手のためにも一声かけてみよう!

例えちょっとくらい説明が分かりづらくても、上手い人に教えてもらえるってだけでもこっちは嬉しいから安心して(笑

しかししかし!最初はすっごく苦戦するよ!

失敗の原因とかまったく思い浮かばないし、とりあえず思いつく方法をやってもらっては見るけれども効果がなくて、指示するのも悪い気がしてきたりしますし、自分って案外踊りのこと知らなかったんだなって結構がっかりする人もいると思います。

実はその、教えることに苦戦して・指導するのが悪い気になって・上手くいかなくてがっかりする気持ちこそが、なかなか上手くなれなくて困っている人の気持ちそのものなんですよね。

上手くなれない人は、踊ることに苦戦して・チームにいることが悪い気になって・自分にはこんなこともできないんだってがっかりしてるんだよ。

自分はひとたび踊りだせばスカッとするかもしれない。

だけれども、その踊ることが上手くいっていない人は抱えている気持ちを放出する場所がないんだよ。

この気持ちって、冒頭で紹介した「下手っぴで一番後ろにしかいられなかった人」はもう知ってるんだよね。

そう思うとすごいなって、これまで辛い思いをしてきたのに努力を続けてきたのかって、頭が下がる気持ちにならない?

色んな練習方法を知っていて、しかも相手の気持ちをちゃんと酌める。

これぞリーダーの器なんじゃないかなって、僕は思うんだ。

この記事を書くきっかけになったメッセージをくれた方は、きっと今も良い指導者でいるんだろうなって思う。

音楽や踊りって、計算式だけでは伝わらない何か・・情熱や心の力があるものでしょ?

じゃぁその心の力を最大限に発揮するために、メンバーが気持ちよく活動できる環境を造っていくのもリーダーの仕事だよ。

せっかくチームに加入してくれたメンバーを無碍にしないように気をつけようね!

そのためにも「下手っぴで一番後ろにしかいられなかった人」は必要だし、今伸び悩んでいる人はリーダーに慣れる器があるんだって、自信を持って取り組んでほしい。

よさこいに興味を持って入会してくれた人みんなが楽しく活動できるように、先輩たちもいっぱいがんばろう!




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