コラム

踊り子の僕が旗について思うこと

2017/05/19

 

よさこいの基本は鳴子踊りと旗。

踊り子一筋の僕には本当の苦労や難しさ・技術については語れないのだけれど、踊り子だからこそ感じられる旗振りへの思いがある。

 

いつもがんばる旗振りの皆さんに
リスペクトの気持ちをお聞きいただきたい(笑)

 

縁の下の力持ち!

僕が出会ったチーム内外の旗振りの方々は口をそろえて「私たちはあくまでもサブ」と言う。

たしかによさこいと言えば最初に思い浮かぶものは踊りだろうし、祭りを見たことがなければ旗があるなんて知らない人も多いだろうね。

 

踊り子は自分の身体と鳴子を操り、上達すればするほど自分自信にフォーカスが当たる。

自分の身体であればどの程度のスペースがあれば踊れるかの予想も付きやすいし、他の踊り子にぶつかってしまう恐怖から振りをコンパクトにすることもできる。

でも旗振りは、上達をしようともフォーカスが当たるのは自分ではなく旗なんだよね。

まさに縁の下の力持ち。

しかも自分の身体よりも数倍も大きい、凶器となりうる物を自在に操らなければいけない。

ポールが何かにぶつかったとしても本人に痛みがあまり伝わらないから、距離感や立ち位置を正確に把握し、常に意識をおいていないと大惨事になりかねない。

 

 

常に持っている恐怖心

以前にチーム演舞をしていた際、お客さんにポールの先端が当たってしまうトラブルが発生しました。

幸いにもかすった程度でお客さんに怪我はなく大事には至らなかったのだけれど、その旗を振っていた人がこんなことを言っていた。

「何かに当たった感覚がなかったのが一番怖い」

いつも遠心力や風の抵抗と戦いながら全力で振っているから、人間にかする程度では感覚が伝わってこないのだそう。

何かに当たる感覚があれば、ポールを横にずらしたり急上昇させるなどの対応ができるのだろう。
けれどもそれが出来ずに振りぬいてしまったときには、お客さんに怪我を負わせてしまうことは免れない。

お客さんに限らず踊り子の間に旗を通すこともあるだろうし、狭い会場でも役目は果たさなければいけない。
いつもどれだけの緊張感を持って演舞をしているんだろうね。

本当に頭が下がります。

 

 

旗振りの技術

同じ振り方をしても天候によって旗は違う動きをする。

風がどこから吹いているかでなびき方が違ってくるし、雨であれば旗は水を吸って重くなり、振るだけでも一苦労になる。

以前に一度、練習で旗を振らせてもらったことがあるのだけれども、何も考えずにただ振っていたらポールに旗が巻きついてしまいました・・。

理由は振り下ろした旗を上昇させるときの方向がずっと同じだったからで、右→左→右・・・と交互に上げられればこうはならないんだって。

でもこれ、1人で振るときは自由に左右を変えられるけど編成を組んで振るときはそうもいかないそうです。

巻きそうになったときは、上げている途中でポールを回転させたり風の向きにより下ろす位置を変えたり、そのときの状況によって臨機応変に対応ができるように練習しているらしい。

どんなときも旗に刻まれたチームの名前をしっかり見せられるように振るのがこだわりだと聞きました。

 

 

会場全体をチーム色に変えられるのが旗の力

大きな祭りになるほど会場は広くなり、客席や客数も多くなる。
遠くから見てくれるお客さんも多くなるよね。

会場の近くで見てくれるお客さんには細かい踊りもちゃんと見えるし、踊り子の表情まで伝えることができるだろう。

でも、遠くから見てくれるお客さんや動画で見てくれる人には個人での踊りの技量は伝わりづらく、踊り子1人としての存在感は薄れていく。

 

よさこいと言えば踊り。
だけれども、踊り子がカバーできるステージの高さの範囲はたかだか地面から2mくらいだよね。

踊り子だけでは、ステージの横幅は埋められても高さまでは埋めることができません。

踊り子が地面を彩り、旗が空を覆って初めてそのステージがチーム色に染まるんだ。

 

だからこそ、同じ目標に向かい、一緒に舞台を作る仲間として共に切磋琢磨していけたらいいな。

 

 

おわりに

日本では古来よりシンボル(家紋)を大切にし、着物や鎧、旗や幟にそれを描き掲げてきた。

だからこそ旗振りは、空に舞う旗に描かれた文字がよりしっかり見えるよう努力をしている。

チームの存在を誇示できるよう、日々練習を重ねている。

 

正直、旗の存在を軽く見ているチームもあるし練習もせずなんとなく旗を振る人たちもいる。

他のチームの旗をまたいで歩くような人たちもいました。

 

けれども、自分たちのシンボルも大切に出来ないチームに人の心を動かす演舞ができるものかと、僕は思う。

 

旗は、サブじゃない。
チームのシンボルを掲げる、選ばれた人たちだ。

 

旗振りさんリスペクト。
マジリスペクト。

 

次の演舞でも、僕たちの存在を強く示せるようよろしくお願いします!

 

 

 




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